NOISES OFF 完走おめでとうございました。

本当だったら大千穐楽に祝福のお気持ちとともにブログあげたりしたかったのに、一歩出遅れるという詰めの甘さ。

ですが気持ちはあるよ!言わせてくれ、楽しかったよ!最高でした!!!!!!!

 

 

 

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気持ちが向かないキャストが一人もいなかったなあ。


誰ひとりをとっても(凄かったな……)って思う人ばかりだった。

気づいたら全員を愛していた。この座組のフルキャストを。それってとっても素敵なことだなあと思う。愛させてくれる人たちに出会えた舞台が楽しかったこと、好きだったこと。私はラッキーだし、私は幸せだ。

 


一人ひとりのキャラクターがドタバタと混乱に拍車を掛け合っていく、止まらないスパイラルの脚本。要らない人がひとりもいなかった。全員が必要な人だった。ミラクル化学反応で、全員が物事を狂わせて行った。

3幕、スルスル…と普段どおり厳かに上がりかけた緞帳が「えっ?」と言うかのような絶妙なタイミングでピタリと止まったのもオモロすぎたし大大大好きだった。緞帳のような無機物でさえこの舞台のドタバタに戸惑ってるようで、笑いに拍車かけられた。

 

幕があがる前に不穏が漂うなんて天才だわ……

 

 

 

 

 

 

💙紅ゆずるさん。

 

あの方の役者魂ってすごい。知らんかった、ジェンヌって爆笑コメディもできんの???

好きだった、舞台に朗々と響く、ドスの効いた関西弁の恫喝。

 


あってはならないイワシにパニックを起こす流星くん祐奈ちゃんふたりのワチャを尻目によもやのセンター扉から予定外の登場をしたと思ったら、まさかのイワシ回収の黒子としての役目を果たそうとあられもない姿を晒すから爆笑しながら感動してしまった。

スターだから!元トップスター!!センターから登場なんぞしちゃったら100人しか居なくても200人の目が集まっちゃうような存在なんだから!!!!!!!

なんでよりによって何もかもいちばん目立つ彼女出したんだよ、福本とか小南とかもっと黒子向きの奴いただろwwって笑いもあるから、もう全部面白いんだよこのシーン…………www

 

 

 

酩酊した流星くんが葛山にイジワルをして、端っこを結んでひとつに繋がってしまったシーツを解くべく、果敢に挑んでくれた結果、壁に張り付けにされるゆずるさんに笑いすぎて血反吐はきそうになった。どうしようもなく可笑しくて笑えるのに、なぜかどうしてか汚くならない。それが余計に笑いを誘うの。抜け出せない可笑し蟻地獄。しぬかと思ったwwwwww

 


ぜんぶの所作が映えるからさすがジェンヌ!と感嘆するところばかりだったのに、それがいちいち笑いに結びつくのも凄まじい。流麗なのに可笑しい。可笑しいのに華麗。そしてその華麗さがなぜか狂乱に掛け算されてしまって、別次元の笑いを生む。

ゆずるさんで良かった、この役が。

 

 

 

 


💙平祐奈ちゃん。

 


声、良かったなー。

ぽんぽんと弾むように明るくハリのある声を持つ祐奈ちゃんが大根役者の平坦な発声しかできない役に閉じ込められていて、「コラww森さんwww」って気持ちと、「森さん、スッゲー……」って気持ちとが同時に来る。キャスティング素晴らしい。何度も唸った、これは彼女に限らず。祐奈ちゃんが喋るの、心待ちにしている私に気づいたよ。くせになる、あの声であの喋り方。キャーーーーーーーッて悲鳴もめちゃくちゃ良かったなーー。

小南相手にランジェリー姿で全身で激しい睨み合いをしている祐奈ちゃんも良かった。なんかなぁ、顔ぐらいしか知らない女優さんにこんなこと言うの失礼だけど、そこまで振り切ってくれたんだなって愛おしくなってしまったよ。

 


3幕、混乱渦巻く中で誰にも迎合せずひとり稽古と同じせりふを崩さない祐奈、天才的スパイス。狂騒の舞台において、揺らがない軸!みたいな一筋の光なんかじゃなくて、誰も救わないブレなさなのも天才。彼女も立派に狂った歯車。

 

映像化されたらいいなあ、ほんとうにほんとうに大事な時に観たいよ。

 

 

 

 

 

💙羽野晶紀さん。


天才。


さすがの関西弁の見事さと、とぼけたマイペースっぷりも、何もかも素晴らしかった。そして可愛らしかった。

羽野晶紀さんの発語も超良かったな〜〜〜〜〜喋り方、ただそれだけでキャラクターは立つのだなと思った。

ひたすらに元凶なのに、悪びれもせず気の赴くままにウラでもオモテですらも振る舞うから、収束しかけたドタバタがぶり返す。悪気のあるなしじゃなくて、ほんと気の赴くまま。

憎めない可愛らしさと、「ちょっとほんまにええ加減にせえよwwwww」が両立していて、とっても良かった。

 

 

 

 

 

💙葛山(愛をこめて苗字呼び捨て)。

 


おっとりマイペースで憎めない善のひとなのに、そんなひとがなぜか人間関係を雪だるま式に狂わせていく元凶のひとりだから面白い。

 


「最後通告?!」のタイミングを3回間違え(もしくは正しく)出てきたの苦しくてしにそうだった、お前はどうしてそんなよい人の面を下げてありとあらゆるタイミングが悪いのだ天才かwwwwwwwww

役者ってのはすごいな、彼のパーソナリティなど1ミリも知らないけど本当におっとりマイペースな空気読めない関西人にしか見えなかった。本当に空気が読めてなくて、己がこのぐちゃぐちゃの泥沼人間関係の要石になっていることなど一ミリも気づいていない素振りがとにかく素晴らしかった。ハッハッハ流星くんたら気にしすぎなんじゃないかい☺️って姿勢を貫くからやめろ気づけバカwwwwwwwって笑いすぎてしぬかと思った。

 


1幕からコツコツ積み上げてきた、血や悪の存在に敏感に反応し卒倒してしまう、という意味のわからない設定が、3幕で渾然と昇華されたとき、私は心の中で葛山へのスタンディングオベーションをしていた。

葛山、ビタイチいなかったけど、板の上には、笑。

 

 

 

 

 

 

💙福本さん。

 


客席に彼のファンがいて(たぶんリピーター観客)、そんなに愛され人なのか〜と思っていた。そして早々に「なるほど不可避wwwwww」と思った。彼を愛さずにはいられない。

伊礼さんの高圧的な態度に従順、なんとかかんとか舞台を良い方にどうにか良い方に軌道修正しようと躍起になって滅私奉公で健気に尽くしているのに(そんなん、彼ぐらいである。)、ひたすら裏目に出るんだもんwwwwww

諸々うち捨てて花を買いに行くのに、絶対に正しい人に行き渡らないし、言われたとおりに衣装を着込んで代役をつとめようと舞台に出るのに共演者は味方してくれないわ泥棒は3人になっちゃうわで息できなくなるぐらい笑った。この文打ち込んでる間に、全く同じ入りのセリフを言いながらじゅんばんこでガラス窓から次々に舞台に入ってくる3人の泥棒たちを思い出して肩が震えている。

 


ちなみにマイベストシーンは、

前述の3人の泥棒たちと、

葛山の代役で福本さんが出てきたあの瞬間です。笑

忘れらんない、福本さんが出てきたときの、あの一瞬の「えっ福本…?」という間。

そして、一瞬ですべてを理解した観客が一斉に笑いだした、あのドッカン!!!という瞬間。

あぁ、観劇ってこういうことなんだ、って思った。

板の上の役者さんたちだけで完結ってしないんだ、みている私たちも舞台作品には欠かせないパーツなんだ、私は今日、このお客さんたちと、ノイゼスを観劇できて良かったなあ、って感じていた。

 

 

 

 


💙山路さん。

 


もーーーー天才。

役者って凄い。


全然みんなの話についてけてなくて、だけど自分が何を理解してないんだかもよくわからなくて、ちょっぴりめんどうくさい気持ちと、ようわからんけど君がそう言うんだからそういうことなんやな、、?って想いが滲んだ「…おん、」間も音も声量も声音も何もかも芸術的に素晴らしい。楽譜があるんじゃないかと思うほど。絶妙に、ココ!って瞬間に「…おん、」が鳴る。

 


耄碌したかつての名優、今やその影もなし、気力も動作も緩慢な老いぼれ、だと見なして2幕を迎えると、酒の気配に敏感に反応しどこまでも掴みにゆこうとする不屈ぶりに「おまえwwwwwwwww」って腹を抱える。

ヨボヨボのおじいちゃんだと思ってみんながウッカリ注意を怠ると途端にどこにも居なくなるの、老人ぽくて面白い。わかる、あの人たち、こっちが見てない時の移動速度ぜったい2.5倍ぐらい早いもんな。

 


山路さんが持ってくるスパイス良かったなー……

すぐにいなくなっちゃうから手が空いてるひと全員で駆け回って探し回ったり、セリフ忘れちゃって「あれ何やったっけ…」「「「「「〇〇〇!!!💢💢💢💢💢」」」」」って全員で怒鳴ったり、話聞いてなかったり理解してなかったり、すぐ酒呑もうとしたり、片時も目を離せなくて、

でもみんなが全力で補助していたの楽しかった。そのおかげで、本人単体でやらかしたミスが割と舞台そのものには致命打にはなってなかったのも愉快だった。山路さんひとりが仕出かすんじゃなくて、作為のない山路さんと、それをカバーしようとする善の行為たちが最終的に舞台作品に致命傷を与えたの、面白すぎた。好きだったな。

 

 

 

 

 

 

💙小南(愛をこめて苗字呼び捨て2)。

 


開演の挨拶でエエ声すんのやめろ。笑

福本さんもだけど、開演時間のアナウンスをするバックヤード陣が俳優より艶っぽい声出すの面白すぎてズルい。ひと声で笑いが取れてしまう。

好きな男の前だからってのもあるだろうけど、そんな彼から叱られ激を飛ばされて萎縮し、キーキーした声を出しながら小さくなっていた、そんな彼女がマイクを通してガラリと見せる顔を変えてきたの、二面性すら感じるほどで大層好きだった。でも誰だよ。笑

 


しかし伊礼さんの好みは空気を読まない人なのか、読まん女(祐奈)と読めん女(小南)。

 


あとストーリーに全然関係ないけど顔が好き。

 

 

 

 


💙伊礼さん。

 


しばらく好きじゃなかった。


キャラとして。

 


傲慢だしうるさいし嫌味だしで、結構終盤までやだなーって思ってたんだけど、彼がまさかの泥棒の紛争して窓から入ってきたときは凄まじい想定外と爆裂な絵面の面白さに度肝を抜かれながら笑い転げて、

 


なんか愛おしくなってしまった。

 


彼もまた、舞台をやり遂げたいと思う人の1人だったんだなあって。

山路サーーーん!!!言うて、きっと駆けずり探し回ったんでしょう。山路さんが見つからない!やむを得ない、代打で出ろ!おい福本!居ない?!アイツどこ行った?!??……仕方ねえ、俺が行く、衣装はどこだ!おい福本!そうかクソっ居ないんだった!みたいなw、舞台に出てくる前に泥棒衣装入ってる引きだしひっくり返したりして、てんてこ舞いしたんでしょう。板の上にいない間を想像できるのっていいなあ、と思う。伊礼さんが出るって異例だから(屈辱の韻)、ウラの狂乱を想像するとなお可笑しくなる。2幕でウラのドタバタを見せてくれたから、3幕のウラはこうだったんじゃないかなあって吹き出しながらも色々想像できるのも、この舞台の好きなところ。観ている側にくれた幅。

 


なんか、アタマから最後まで悪い人がひとりもいない舞台だったなあ…で終えられたのも良かった。各々、好き勝手にw、恋したり妬いたり空気読めなかったりツイてなかったりしただけなのだ。


いや、それでンなドおおごとにすんなや。笑

 

 

 

 

 

 

💙座長。流星くん。

 


この綿密に計算された狂騒の舞台を座長のポジションでやり遂げたこと、誇らしくて泣きそうになる。

怖すぎる、一個ポシャったらガタガタっ!!!て崩れてくこの舞台を演者として、ましてや座長として担うなんて。観客の反応がダイレクトに(本当に、ダイレクトに)見られるというメリットは、裏をかえすと客席が盛り上がらないときの恐ろしさでもあるわけで。こんな楽しく爆笑が見込める舞台だからなおさら。そのデメリットに打ち勝ったってことでしょ。あぁかっこいいなあ。。

アドリブやミスのリカバリーに長けた人たちが集う事務所の人だから不得手ではないかもしれないけど、この舞台の失敗のカバーって難しいじゃん、そもそもストーリー上でそれをやってるようなもんだからw

そしてこの猛スピード内容に、ちゃんと先導して演じきったんだよな……と思うと改めて惚れる。それは流星くんだけの栄光じゃないけど。普段のんびりのんびり穏やかで、気持ちのアップもダウンも見せてこない、精神的に安定している、そんなしろくまさん🐻‍❄️みたいな流星くんが。一体ギアをいくつ上げてくれたんだろう……

 


ステージに出てないときは幕間だろうが終演後だろうがいつものぽゃぽゃっとした流星くんなのも好きで好きで仕方ないな、ありがとう楽屋ルーティン。

 


ドンペァニック!ドンペァニッック!!!ヽ(ノノ_☆)ノって大錯乱してるのとにかく良かったなー好きだったなーー。長くて綺麗な手足をカニみたいにドッタバタさせると「綺麗だからこそ、ウケる」になる。

 


私は、流星くんの自分のボケに自分で笑い出しちゃうところ、とっても可愛くって大好きなんですが、それが今年に入って突然なくなって、すべ狼の時にはパッカーン侍をブレずにやりきる笑いの膂力みたいなものを身につけていて、何がどうしたんだろうと思っていたんだけど、こんな一生笑い転げていられる舞台の座長やってたんだから自ずと鍛えられただろうなあと思う。いや関係ないかな。笑

でもこれからの流星くんがまた楽しみになってしまった。揺らがず一発ギャグができちゃう流星くんなんて、またときめいてしまうな………いや私は何にときめいておるの???????

(ときめき迷子)

 

 

もういい加減長いな?!最後!!

 

ひとつひとつの「アレ」にちゃんと意味を持たせていたのがとても好きだった。

個々の内容についていくのは途中で放棄したんだけど笑、ついていけないなりに(あ、これ空っぽの言葉じゃない、)って思わせてくれて好きだと思った。一体いくつの「アレ」があったのか分からないけど、ただ無闇矢鱈と連呼してるわけじゃない気がする…と思っていたけど、パンフレットでちゃんと全部のアレの意味を落とし込みはできたと言っていて好きが腸の中で暴れだしそうになった。おまけに森さんの言い方から考えると指示を受けてじゃなくて、主体的に……???

ま、真面目、す、好き、、、

 

 

ノイゼス期に出た雑誌で「エンタメが好き」って言ってくれた流星くん。

なんだか涙が出るぐらい幸せだなと思ったんだよね。

好きだと言ってくれている人が、多くのエンタメに触れてそれを新たなエンタメにかえて私たちに魅せてくれるの、楽しみでならないよ。あなたの好きが私の喜びであり幸せなんだなあ。

 

流星くん、

ありがとう、

そしてNOISES OFF完走おめでとうございました。